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ラ・フォル・ジュルネ [感想文]

 で。
 えー、いってきましたとも。

 まぁとにかくひとの多いこと。

 気温も25℃を越えていたみたいで、まさしく“熱狂”。

 そんななか13:45~の、
 アリ・ヴァン・ベーク指揮、オーヴェルニュ室内管弦楽団演奏による、

 ヤナーチェク 『弦楽のための牧歌』
 グリーグ 『2つの悲しい旋律 作品34』
 ボロディン 『弦楽のための夜想曲』

 で、静か~に幕を開けた、わたしの『熱狂の日』。
 『ボレロ』にむけて(その曲調と同様)気分をクレシェンドさせていこうかと、あえてこのプログラムを最初に選んでみた。

 終演後、←の某ドラマーと合流。
 屋台のカレーを食ったり、下戸のくせに無理して真っ昼間からお日様の下でワインを飲んだり。ま、こういうのは気分の問題だから。
 後、無料エリアで台湾の楽団による演奏を聴いてから東京国際フォーラムを出て、丸の内界隈のその他のビルで催されている関連イベントをみてまわり、




 妖精さん達と出会った。あぁ、春だねぇ。

 17時過ぎに某ドラマーとわかれてから、続いて某旧友と合流。
 会場内をぷらぷらしてから、また無料エリアで、今度はシャンパンを飲みながらチャイコフスキーの交響曲5番の最終楽章を聴く。

 さて、続いての有料公演に選んだのは、19:15~、
 ドミトリー・リス指揮、ウラル・フィルハーモニー管弦楽団演奏、

 ラフマニノフ 『パガニーニの主題による狂詩曲 作品43』(ピアノ ボリス・ベレゾフスキー)
 ムソルグスキー 『禿山の一夜』
 ボロディン 『中央アジアの草原にて』

 今年の『熱狂の日』のテーマは“民族のハーモニー”。
 それでウラルの楽団が、『中央アジアの草原にて』なんてタイトルの曲を演奏するのだ。
 ・・・すいません、この曲聴いたことなくて、どんなもんだか知らなかったのだが、それでも期待せずにはいられないというものだろう。

 そして『禿山の一夜』。
 『のだめ』ブームをすこし冷淡な目でながめているわたしではあるが、
 ・・・すいません、この曲をはじめて知ったのは『タッチ』でした。
 たっちゃんが大音量でこの曲を聴くシーン。
 うぅ、涙なしでは語れないね。

 まぁそれはいいとして、『中央アジアの草原にて』である。
 東洋的なメロディにはシルクロードを旅する商隊を、ゆるやかに響き渡るホルンの音色には草原からはるか遠くにのぞむウラル山脈を思わせる。
 たいへんよろしかったです。

 ホールを出て、次までの空き時間はまた無料エリア。
 学生オーケストラによる、ストラヴィンスキー『春の祭典』でつないで、いよいよメインイベント。

 21:30~
 フアンホ・メナ指揮、ビルバオ交響楽団演奏、

 ラヴェル 『亡き王女のためのパヴァーヌ』
       『ダフニスとクロエ』第2組曲
       『ボレロ』

 この指揮者も楽団もまったく知らなかったのだが、かんじんの『ボレロ』を聴くに及んで、
 「この曲を演奏するのに、彼らは世界でもっともふさわしいのではないのか」
 とすら思った。
 バスク人とスイス人の間に生まれたというラヴェルの曲を、“スペインの”というより“バスクの”という方がふさわしいビルバオ交響楽団は常日頃からより多く演奏していると思われるが(いや詳しくはしらないけども)、そういう楽団の演奏技術よりも、圧巻は「まさにスペイン人」ともいえる、フアンホ・メナの情熱的な指揮だった。

 『ボレロ』は、本来は舞踏曲である。
 しかし、今回の公演にダンサーは必要なかった。

 ファンホ・メナがまさに踊るように指揮をしていた。

 ときには軽やかに、ときには自らが打楽器の役割をするかのように重々しくステップを踏みながら狭い指揮台の中を動き回り、曲も中盤を過ぎると各フレーズのメインパートにむかって挑みかかるように、指揮台から飛び出さんばかりに身を乗り出し、煽りはじめる。演奏も見事にのせられ、さらにそれを観て、聴いている観客の興奮も高まってくる。
 曲は徐々に、それでいてメリハリのあるクレシェンドをきかせながら終盤をむかえ、いよいよクライマックス。
 指揮者は踊り狂うようにタクトを振る。
 「さぁ弾け! もっと強く!! もっと強く!!!」

 弦も切れんばかりに力強く迫りくる弦楽器。骨まで響くドラの轟音。
 興奮からか、大音響が直接そうさせるのか、身体が震える。

 そしてこの曲にまつわる思い出などすっかり消し飛び、興奮が最高潮に達したところで、幕。

 ファンホ・メナとビルバオ交響楽団の、一般的な評価というものをわたしは知らない。
 実際に聴いてみても、演奏の、ましてや指揮の細かい巧拙なんぞ、ド素人のわたしにはわかるべくもないし、それについて評価することなど恐れ多くてできない。
 しかし、こと『ボレロ』のような曲にとっては、そんなことどうでもいいのだ(もちろん、プロの音楽家にとっては技術があることがすべての前提であるはずだが)。
 要は技術よりも勢いなのだ。
 人間、その気になれば、ひとを感動させることができると。
 5000人を超える観客から起こる、お世辞とは思えない鳴り止まぬ拍手がそれを証明していた。

 家路につきながら、友人の第一声、

 「これで2000円は安かったな」

 まったくだ。

 いやしかし音楽はライブが一番だね。それもクラシックだとなおさら。
 当たり前のことなのに、録音物を聴く日常にすっかり慣れ、つい忘れてしまう、

 “音楽は耳だけで聴くのではなく、五感すべてを使って、身体全体を使って聴くものである”

 ということを再認識できた、たいへん有意義な今年のこどもの日であった。


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